• テキストサイズ

〜泡沫〜《BLEACH》

第10章 〜流転〜



「…冬、獅郎…」


「日番谷隊長だと、何度言わせるつもりだ?」


「ハイ、ヒツガヤタイチョウ」


がくがくと手を上げて降参の意を示す代行に、冬獅郎は氷輪丸を鞘に収めた。


「なら、そのバウントを頼む。玲、行くぞ」


「あら、もう少し遊びたかったのに」


「お前な。一応、敵前だぞ?」


そんな会話をしながら、さらりと去ろうとしたのだが。


「その女は逃がさんぞ!」


バウントの霊圧が跳ね上がり、暴風が保管庫を破壊する。


「狩矢!てめぇの相手は俺だろうが!」


死神代行の斬魄刀から月牙天衝が放たれて。

その場はあっという間に戦場と化す。

私は黙って、他の場所にまで被害が及ばない様結界を張って、その場を離れた。


ふらつく足で如何にか銀髪の青年の背を追っていると。

ふと、彼が足を止めて、呆れたように溜息を吐いた。


「俺に無茶をするなと言ったのは誰だった?」


そう言えば、そんな事を言った気がする。

なんと返そうかと迷っていると、ふわりと身体を抱えられて。


「ならお前も、黙って無茶はするなよ」


思いの外優しい声音に、静かに頷いた。

熱でぼぅっとする頬に、冷たい手が添えられて。

心地よくて私の意識は落ちていった。

/ 351ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp