第10章 〜流転〜
「てめぇ、一ノ瀬か?」
バウントセンサーの道案内を意外と素直に辿った更木は、見覚えのある死神と遭遇していた。
「貴様は、更木剣八!」
「ほぅ、覚えてんじゃねぇか。てめぇに行き着いたって事は…今はバウントの手下か?あぁ?」
「答える必要は無い!光華閃け”虹霞”!」
「最近虹色よく見るよなぁ…」
「玲ちゃんの光の方が何倍も綺麗だよ?剣ちゃん」
「まぁ、いい。かかって来いよ。多少は強くなったんだろうなぁ?!」
刀を構え、突っ込んでくる一ノ瀬。
剣筋が光り、夜空を紅が彩った。
玲の特別特訓(最高硬度の鉱石を斬りまくる。因みに最後の方は殺気石まで混ざっていた)に依って斬撃の威力が跳ね上がった更木の刀は、相手の斬魄刀を易々と砕き、肩から腰にかけて袈裟懸けに斬り裂いていた。
「な…まさか…そんな…」
一ノ瀬の表情が絶望に彩られるも。
更木は深々と溜息を吐く。
「つまんねぇなぁ。そんなもんかよ」
彼の罵倒は、半分霊子と化した一ノ瀬には届かなかった。