第10章 〜流転〜
十二番隊兼技術開発局に足を踏み入れた私は、此方に気付いた途端頭を下げる死神達に微苦笑する。
この隊でこんな風に敬われるような事をした覚えは無いのだけれど。
と、首を傾げながら、恐らく隊主室なのだろう、研究室の扉を叩く。
「マユリさん。ちょっと話…「私は君に話など無いヨ。私は忙しいんだ。今すぐ帰り給えヨ」
「え〜、ならバウントがこっちに来ちゃったの、貴方が滅却師に肩入れしたからだって、バラしちゃうよ?」
「言い掛かりは止め給えヨ。私はそんな事…「へぇ?シラを切るんだ?」
軽く霊圧に殺気を混ぜて、扉の向こうへと飛ばすと。
がしゃんと何かが割れる音がして、が鳴り声がした後、扉が開いた。
「ありがと、ネムさん」
「いえ…」
「ネム!喋ってるんじゃ無いよ!それをさっさと片付けな!」
「はい、マユリ様」
涅はいつも以上に不機嫌らしい。
「…で、何の用だネ」
そう問いを投げる声も、ひしひしと面倒な事は言うんじゃないよと、暗に圧が掛けられている。