第10章 〜流転〜
一番隊隊主室。
「思ったよりも早かったの。修行は、終えた様じゃな」
元柳斎は、霊圧も雰囲気もがらりと変わった隊長達を見回して頷いた。
「さてと。バウントに侵入を許した事は知っておろう。朽木隊長。前に頼んだ文献はあったかの?」
「すまぬ。忘…「在ったよ?」
ぽふっと白哉の手に、文献が手渡される。
渡したのは少しの間姿を消していた玲だった。
その書物は間違いなく朽木家の文献で。
勝手に書庫に入ったのかと思ったが、一先ず咎めはしなかった。
無言で総隊長にそれを渡すと、目を通した彼がうむと頷く。
「成る程の。バウントは、技術開発局ができる更に昔、今では禁忌とされている実験が失敗し、輪廻に影響を与えた事で産まれた異端の者。
現世に悪影響を及ぼす可能性がある故、過去殲滅戦を行った。今回のバウント達はその際の生き残りと言ったところじゃの」
さらりと説明を終えた総隊長の言葉に、隊長達が苦い顔をする。