第9章 〜修練〜
終盤にもなれば、皆が半ば疲れを見せ始める。
それを保たせようと、自信の無さそうな七緒と桃に、オリジナル鬼道教えてみたり。
京楽と浮竹を全力でぶつけさせてみたり。
黒縄天譴明王を操り切れていない狛村に、斬魄刀を具象化させて、対話させてみたり。
やちるは未だ健気に的へ向かって鬼道を放っている。
しかし、ここへ来てから約九日。
皆の実感は薄いが、確実に強くなっている彼等に微笑んで。一日寝ていいよと許可を出した。
恐らく此処から出てしまえば、また慌ただしい日常が待っているのだろうから…。
漸く外の日が昇り始めた頃。
玲はいつもより早めに起きて労いのつもりで、普段より豪勢な料理作っていた。
最後なのだから、少しぐらい羽目を外しても良いかと、以前買っておいた銘酒と共に。
調理場から出て、沢山の霊圧を感じる修練場所へ足を向けると、隊長、副隊長達が揃って私に頭を下げていた。