第9章 〜修練〜
「瑞稀さん、今まで有難うございました」
「こんなに実感出来るのは、玲ちゃんのお陰だよね。本当にありがとう」
「瑞稀、すまない。元々君に畏怖を抱いていた僕にさえ、きちんと教えてくれたこと、本当に感謝している」
「世話、掛けたな」
「瑞稀。今度から師匠と呼んでも良いか?」
「失礼を承知で私も…」
「うん、玲ちゃんはお師匠様だよっ」
「やちるも!玲ちゃんやちるの師匠だもん!」
そんな言葉達に胸が温かくなって。
でも人前でそんな呼び方しないでね、と釘を刺しておく。
後ろに気配がして振り向くと、修行前とは雰囲気も余裕も、霊圧も。
何もかもが変わった、二人の姿。
「玲。私は…お前を護れる様、精進する」
「朽木!っー俺も。お前を一人になんかさせねぇから」
精神的にも何処か成長した二人にふわりと笑って。
「ありがとう」
と返した。
「今日は一先ず修行完了って事で。ちょっと手の込んだもの作ってみたんだ。お酒もあるから、偶には羽目外して、ね」
その後色々大変だったけれど。
部屋にも戻らず眠りこける死神達に毛布を掛けて。
酒の飲み方を知っている卯ノ花と白哉、蟒らしい冬獅郎に手伝ってもらって、後片付けを済ませた。