第9章 〜修練〜
それから三日。
白哉と冬獅郎はあっという間にコントロールを完璧にして。
それから二人で修行していた。
冬獅郎は転換率と集束率に基づいて、氷輪丸での戦闘効率や、まだ操り切れない九頭の龍をどう動かせば御し切れるか、考えながら。
白哉も、無駄な霊力を悉く使わず、変化を見せた千本桜の力を扱える様にと。
勿論、無理の無い程度に。
他の隊長達も殆どがコントロールを覚え、修練として打ち合っても、周囲に影響の出る様な霊圧は発さなくなった。
鬼道系が得意な桃と七緒も、少し遅れて御し切れる様になっていた。
しかし、問題は普段から霊圧を垂れ流している戦闘狂で。
数値化しているのだから、総霊力も霧散率も拡散率も、集束率も転換率も分かるはずなのに、一向に進まない。
この数値では、戦闘になった場合、周囲にの者に悪影響を与えないとも限らない。
更木とて、潜在霊圧まで力が上がっているのだから、いつもの様に霊圧を垂れ流したまたま、戦闘に出せるはずも無い。
仕方ないと、彼の制御装置に半分の霊圧を封じさせ、斬術の稽古を付けていた。
この世の鉱石の中で、最も硬いこの石を切れれば合格という、他とは違った修行に、更木は自棄になって打ち込んでいた。