第9章 〜修練〜
余裕の挑発に、冬獅郎と白哉が無言で霊圧を上げる。
其れに同調するように、氷輪丸と千本桜が形を変えた。
氷輪丸は巨大な翼を広げ九つの頭を持つ龍に。
千本桜は、無数の刀の形へと。
「浮竹。日番谷の方へ」
白哉の意図を理解した浮竹が瞬歩で移動し、玲と冬獅郎の間の崖に降り立った。
それで冬獅郎は理解したようだ。
「あ〜…じゃあ僕は、彼女を嵌めれば良いんだね」
「狛村に手伝って貰うといい」
「あいよ。狛村隊長」
「分かった」
漸く協力体制を取り始めた隊長達にやれやれと溜息を吐いて。
玲は渦巻いていた力を、攻撃へと変換する。
風の力は馬に、炎の力は鳥に、水の力は狼に、土の力は蛇に姿を変え。
雷は空へ昇り、氷輪丸の天相従臨を相殺し。
氷はその場で結晶のように玲を覆った。