第9章 〜修練〜
「そう言えば冬獅郎と白哉。転換率、幾つになったの?」
「83」
「86だ」
転換率は冬獅郎の方が上らしい。
素直に答える彼等にふわりと笑って。
「あら、流石ね。二日と半分サボってたのに」
くすくすと笑う玲に、躊躇いつつも斬魄刀に手をかける。
彼女が此処でこんな事を提案するのは、恐らく意味が有るのだろうと踏んで。
「そうだよ。幾ら霊圧が上がって制御出来たって、自分達で把握出来てなきゃ扱えない。すぐに鬼道の練習を始めたけれど、貴方達はまだ、疲れ難くなったってぐらいしか実感していないでしょう?」
玲が空に手を翳すと、キィンと空間が揺らいだ。
霊子結合が強固になり、そこを結界が覆い、固定する。
「だから。力試しだよ。外でやるとお爺ちゃんに怒られちゃうもの」
その言葉で、彼等の迷いは消えた。
他の隊長格達も斬魄刀に手を掛ける。
「玲ちゃん。剣ちゃんは?」
やちるの言葉で思い出し、峰打ちで昏倒させた彼の意識を賦活させた。