第9章 〜修練〜
「なら、今日は修行じゃなくてゲームする?私に斬魄刀を出させれば貴方達の勝ち。全員の戦意を奪えば私の勝ちで」
玲の提示したゲーム内容は、毎度の事ながら無茶苦茶だった。
此処にいる全員と、同時に戦うというのだから。
「いや、玲ちゃん。前は鬼事だったけど、今回は違うでしょう」
「それで君が勝てる見込みはあるのか?」
京楽と浮竹が止めようとするも、玲はくすと笑みを浮かべた。
「逆だよ?今の貴方達じゃ、全員で連携して掛かってこなきゃ、私に斬魄刀を呼ばせる事も出来ないって言ってるの」
するりと更木の斬撃を交わして、徐に玲が反撃に出た。
それは隊長格の彼等でさえ、その姿がぶれたとぎりぎり認識出来る程の速度で。
次にその姿を確認出来た時、更木は幾つもの裂傷を負って、前のめりに倒れ込んでいた。
「剣ちゃん!」
やちるが駆け寄るも、更木は既に意識を失っていて。
彼をふわりと虹色の光が覆う。
「さて、どうする?やってみる?」
あっという間に傷を回復させながら、玲が首を傾げる。
他の隊長格達が躊躇う中。
「朽木。見えたか?」
「無論だ」
霊圧が極端に上がり、それを確実に御し切った二人は、追えた様だった。