第9章 〜修練〜
やちるの後、桃と七緒にも気が済むまで付き合った玲は、とんと地面に降り立って、翼を霧散させた。
「玲ちゃん、また飛ばせてね!」
無邪気に飛びついて来るやちるに
「今度は外で飛ぼっか」
そんな約束を交わして。
「もう良いよなぁ?」
やちるが離れた瞬間、斬りかかって来た更木を霊子の刀で止める。
「またそれか!てめぇ、いつになったら自分の斬魄刀出すんだ?」
「これを砕ける程の技量が貴方に備われば、かな」
くすと笑って斬撃を去なす玲に、焦りは微塵も感じられない。
「あ〜創造体じゃなくても斬魄刀出してくれないんだねぇ」
以前の戦闘を思い出して、肩を落とす京楽。
その言葉で、一度も彼女が斬魄刀を振るう姿を見ていない事に皆が気付いた。
「創造の斬魄刀、か」
「どんな姿なのでしょうね」
浮竹と卯ノ花が呟き、その場が好奇心に揺れる。
その間にも、玲は霊子の刀で更木の斬撃を往なし続ける。
玲は元より更木も未だ無傷。
それが、彼女に戦闘意思が無いことを物語っていて。
「出させてみるか?」
「戦う気かよ」
僅かに闘気を纏う白哉に冬獅郎が突っ込むも。
玲がそれに気付いて、くすと笑った。