第9章 〜修練〜
「上から、拡散率、霧散率、集束率、転換率。拡散と霧散は小さければ小さいほど、集束と転換は大きい程威力が増す。因みに的と発射点の間に張ってある結界は霊力拡散の効果を持つ。番号の高い鬼道を打てば良いんじゃないの。必要なのは霊力の凝縮。一点を貫通する促進力と破壊力」
「先に言えよ」
不機嫌な冬獅郎に、玲はくすと笑う。
「普通に打った隊長格の集束率と転換率がどの程度かなと思って」
今まで黙って聞いていた白哉が、すと的を見遣って、玲に問う。
「つまり、我々隊長格でも、霊力の半分以上を無駄に使っていると、そういう事か」
「そうだね」
頷いた玲に、京楽が椅子から立ち上がる。
「やれやれ、つまりはさっき君が打ったような蒼火墜を打てば良いんだね?」
「先に言っておくけど、鬼道にはそれぞれ飽和霊力が存在する。がむしゃらに霊力込めても暴発するから、気を付けて。因みに、この霊力コントロールは鬼道だけじゃない。斬魄刀も回道も歩法も全て、霊力集束率と転換率は反映されるからね。それでも馬鹿らしいと思うなら、帰っていいよ」
その念押しに、やる気の見られなかった死神達も目を瞬かせる。
「玲ちゃん。因みにさっきの蒼火墜、集束率と転換率は?」
「集束率が100、転換率が99…ぐらいかな?」
自分には創っていなかったと思い立ち、早速、霊力封印率と、総霊力、霧散率、拡散率、集束率、転換率を演算するそれを、創造して、腕に嵌めてみた。