第1章 〜欠片〜
「は?二本…?」
「…破壊と創造なんて、対極の力、一本の斬魄刀が有してるわけないじゃない」
「…いや、まぁそうかもしれねぇが」
「因みに月読はちゃんと眠ってるから大丈夫だよ」
「…はぁ…そうか」
最早驚きを通り越して呆れている冬獅郎は、もう何も言うまいと口を閉じた。
少し冷めたお茶を飲んだ私は、今後の方針を決める。
単純に、極力戦闘は避けて、無理なら鬼道と白打で乗り切る。
それで倒せないような強敵が出てきたら、斬魄刀はその時考えよう。
取り敢えず聞かれたら、風と雷って言っておけば良いかな。
「よし」
一人頷いた私に、冬獅郎が視線をあげる。
「決めたのか?」
「うん」
取り敢えずの方針を伝えると、彼は分かったと頷いてくれた。
それから少し雑談をして、日が傾いてきたぐらいで冬獅郎が立ち上がる。
同時に誰かが執務室の扉を叩いた。