第5章 〜遊戯〜
六番隊に戻って来た私は、今朝の礼を言ってくれる死神達を笑顔で交わして、隊主室に駆け込んだ。
「白哉!」
「何事だ」
執務中の彼が筆を置くと、私は紗を肩から外して白哉の首に問答無用で巻き直した。
「こんな高い物普通に貸さないでよ、馬鹿ぁ」
若干涙目になりながら。
白哉は暫く動きを止めた後、瞳を僅かに細くする。
「誰に聞いた」
「…?冬獅郎」
「彼奴か」
呟いて立ち上がった白哉に、私は虚を突かれて固まる。
「白哉、何処行くの?」
「十番隊に決まっておろう」
「…何の為にか、聞いて良い?」
「余計な事を吹き込んだ奴に仕置きするのだ」
「余計じゃないからね?!」
彼の気迫に危うく流されそうになった私は、歩き出そうとするその袖を引いて止めた。