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〜泡沫〜《BLEACH》

第4章 〜華奢〜



その後、片付けを手伝ってから部屋へ戻り、着替えようとして、死覇装のままだった事を思い出す。

昨日の昼に瞬閧で弾け飛んだ袖と背の布は、天照がいつの間にか直してくれていたけれど。

出来ることなら、あれを使っても損傷しない形の物が欲しかった。

そう思って、初日に冬獅郎に連れて行ってもらった部屋へ足を運ぶと。


「瑞稀様?!本日はどの様な…?」


何故か酷く驚かれた事にこっちもびっくりしながら、事の次第を説明する。

すると、女死神はにこりと笑って。


「それでは、瑞稀様にお似合いのデザインの物が御座いますよ」


そう言って持ってきてくれたそれは、死覇装らしいのだが、デザインは今まで着ていたものと全く違った。


「瑞稀様に袴は似合いませぬ。良ければ此方をお召し下さい」


渡されたそれは、胸元が所謂ベアトップと呼ばれる様な形で。

肩の布は疎か、首に回す紐もなく。

ロングドレスの様に長いのだけれど、動き易さに配慮してか、前の布は膝丈よりも上までしか無くて。

後ろは少しゆったりと作られているのか、動くとふわりと広がって揺れる。

普通に可愛らしいデザインなのだけれど、何も羽織らなければ露出が多すぎて怒られそうな物だった。

取り敢えず着てみた私が女死神の前に姿を見せると。


「瑞稀様!とても良くお似合いです!やはり私の目に狂いはありませんでした!」


物凄く喜ばれたせいで、何が羽織る物を要求しようとしていた私は口を閉じてしまった。


「えっと…ありがとう」


「はい!替えの物も地獄蝶にお部屋まで届けさせます故、ご心配なさらないでください!」


未だ目をキラキラさせている彼女に、最早文句を言えるはずも無く。

私は渋々頷いて、六番隊の隊主室へ向かったのだった。

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