第4章 〜華奢〜
「それにしても君、本当に綺麗だよね。気を抜くと目が逸らせなくなるよ…」
唐突に吉良がそんな事を言い出して首を傾げる。
そこに乱菊が何言ってるのとでも言いたげな視線を向けた。
「当たり前じゃない!うちの隊長や朽木隊長までご執心なのよ?ここにちょっと色気なんて身に付けてみなさい。堕とせない男なんて居ないわよ!」
自分のことの様に豊満な胸をはる乱菊と。
「いや、乱菊?堕とすって…」
彼女の言葉の意味を今一理解出来ていない私。
それを側で聞いていた桃が、成る程と頷いた。
「よし、玲ちゃん、飲もう!そんでちょっと酔ってみよ?」
「そうよねぇ?雛森もそう思うわよね?」
二人は何かに好奇心を刺激されているかの様な表情で。
「おい、逃げるなら今のうちだぞ」
こそっと耳打ちしてきた檜佐木の声が何処と無く焦りを孕んでいた。
因みに恋次は、酔い潰れて床で目を回していた。