第1章 聖なる夜に(神田夢)
少しからかい過ぎたかと、シュリは反省した。
「あ、神田。それ開けて?」
神田は言われるがままに袋を開けた。
綺麗な紫色の髪紐が出てきた。
「髪紐、いくつあってもいいでしょ?」
「ああ…ありがとな。」
珍しく素直にお礼を言う神田に驚きつつ、シュリはある事を思い付いた。
「ねぇ、ちょっと付けてみてよ!私が結んであげるから!」
そう言って神田の手から髪紐を取ろうとすると、神田は髪紐を袋に戻した。
「あれ?気に入らなかった?」
「いや…そうじゃない。」
「じゃあなんで…?」
「今は、いい。」
そう言って、神田は袋をポケットにしまった。
シュリは不思議そうにしているが、神田からすれば勿体無くて付けられないのだ。
しかし、そんなことを言うのは自分のプライドが許さなかった。
プレゼントも無くて申し訳ない。嬉しいのに素直に伝えられない。
そんな想いを全て込めて、神田がシュリにキスをしようとしたその時…。
「メリークリスマス!!」
突然部屋のドアが開き、クリスマスの仮装をしたアレン、ラビ、リナリーがいた。