第1章 聖なる夜に(神田夢)
「お疲れ様、長かったね。今回の任務…。」
色々予想外の出来事があったとはいえ、任務に出る前に"そんなに長くはならない"と言った手前、待たせてしまった事を申し訳なく思った神田は「待たせて悪かった。」と言った。
そして、シュリが持っている小さな袋に気が付いた。
「お前、何だそれ。」
「あ、これね!クリスマスプレゼント!」
渡された袋を見つめながら、神田はバツが悪そうに呟いた。
「…は、ない。」
「ん?なに?」
「俺は、プレゼントがない。今日がクリスマスだってことも、さっきコムイに言われて気付いた。」
次の瞬間、シュリは大爆笑した。
「な、何だよお前っ…。」
「いや、なんか、予想通りというか神田らしいというか…いいんだよ。こうして一緒にいてくれるだけで。」
微笑むシュリを見て、神田は顔が熱くなるのを感じた。
「あれ?神田顔赤いよ?」
「うるせえな黙れ。」
シュリから顔を反らし、神田は黙ってしまった。