第4章 オセロ(アレン夢)
だから、私が教えてあげる。
仲間として、最期に君にできること。
「アレン、は…間違ってる…そんなやり方じゃ…一生、だれからも…あいされないよ…っ。」
アレンの顔から笑みが消えた。
後は、君が考える事だよ。
私を愛してくれたなら、私の最期の言葉…きっと少しでも届くよね。
「…さようなら、シュリ。」
アレンが低く冷たい声でそう言って、手に強い力を込めた。
私の意識はそこで途絶えた。
心臓が止まったシュリを見つめた。
貴女は最期に、何かを訴えていた気がした。
貴女の最期の言葉には、その言葉以上の何かが含まれている気がした。
それが何かは、僕には分からない。
愛する人を自分の…自分だけのモノにしたいという気持ちは皆、同じではないのだろうか。
神田は自然とシュリの心を奪った。
僕にはそれができなかった。
僕はどうすれば良かったのだろう。
もう一度、動かなくなったシュリを見つめた。
「…でも貴女の最期の瞬間、貴女の目に映ったのは神田じゃない。僕だ…。」
僕は声を上げて笑った。
これ以上、何も考えたくなくて。
シュリ、貴女は永遠に僕のモノになったんですよ。
僕だけのモノに。
それで、いいんだ。
そう自分に言い聞かせて、冷たくなったシュリの唇にキスをした。
END.