第1章 聖なる夜に(神田夢)
神田は半ば開き直ってシュリの部屋へ向かった。
クリスマスが何だと言うんだ。
例え覚えていたとしても、プレゼントなんか用意しない。自分の柄に合わない。
自分の中でそんな言い訳をしながら、シュリの部屋のドアを開けた。
シュリはベッドで眠っていた。
寝顔を見るだけで安心する辺り、心底惚れているんだと自覚するものの、絶対口には出さない。
「シュリ、帰ったぞ。」
シュリの体を軽く揺する。
シュリは目を覚まし、寝惚け眼で神田の姿を捉えた瞬間笑顔になった。
「おかえり神田…!」
聖なる夜が終わるまで、あと三時間の所だった。