第3章 記録にしないで(ラビ夢)
「シュリ!!クソッ…お前ら全員邪魔さ!!」
オレは火判で一気にアクマを焼きつくし、イノセンスを持ってるであろうアクマに近付いた。
「お前が最後さ。イノセンス持ってんだろ?寄越せよ。」
「誰が渡すかよォ!!」
火判で焼いてしまったらイノセンスまで燃やしてしまう可能性がある。
オレは武器でアクマの首から上を吹っ飛ばした。
アクマの手から三つのイノセンスが溢れた。
それを回収し、直ぐ様シュリの元へ駆け寄った。
「シュリ!大丈夫か!?」
シュリは大量の血を吐き、呼吸も浅い。
地面に叩き付けられた時に骨や臓器をやられたのだろう。
オレはシュリを抱き起こした。
「一回目でやられるなんて…私もまだまだだね。」
シュリは喋ると同時に血を吐き出した。
「喋るな!すぐに病院に…っ」
「…ラビ…。」
シュリが弱々しくオレの頬に手を添え、首を横に振った。
まるで、もう自分は駄目だと言うように。
「ラビ…ちゃんと、じじいの後継いでね…それから…。」
一筋の涙がシュリの頬を伝った。
「今まで…ごめんね…これ…読んで…。」
シュリは震える手で胸元のポケットから四つ折りにされた一枚の紙を取り出し、渡してきた。
「私の…ホントの気持ち…書いてあるから…。」
段々と薄れていくシュリの声。
終わりが近いのは目に見えていたが、受け入れたくなかった。
「死ぬなよ、シュリ…そう簡単に死なねえって言っただろ!!」
「…ラビ、ありが…とう…ラビは…生きて…。」
シュリはゆっくりと目を閉じた。
「シュリー!!」
オレの叫び声が路地裏に響き渡った。