第3章 記録にしないで(ラビ夢)
「…マジかよ。」
「あの中にイノセンスを持ってるアクマがいればいいけど…。」
シュリはゆっくりと立ち上がり、アクマ達を見据えた。
「…イノセンス持ってるの、一番後ろ、真ん中にいる奴じゃないかしら。」
「なんで分かるんさ?」
「明らかに、他のアクマが奴を庇うように立ってる。」
よく見ると、確かにそうだった。
「まずは前の奴等からね。」
シュリはイノセンスを発動した。
シュリのイノセンスは二本の短剣だ。
オレももう一度発動させ、オレ達は左右に分かれてアクマを倒しにかかった。
オレの武器はある程度アクマと距離を取りながら戦えるが、シュリは完全に接近戦だ。
小柄な体で素早く動き、次々とアクマを倒していくシュリ。
すると、一体のアクマがシュリの首を掴んだ。
「シュリ!!」
アクマはそのままシュリを絞め殺す気だ。
助けに行きたいが、他のアクマに邪魔をされてシュリに近付けない。
シュリは渾身の力を込めてアクマの片目に剣を突き刺した。
「ギャアアアッ。」
アクマは悲鳴を上げ、シュリを地面に叩き付けた。