第3章 記録にしないで(ラビ夢)
「なに?したいの?」
「だってしばらくお預けだったじゃん。」
「じじいが戻ってくるかもよ?」
「今行ったばっかだし、大丈夫さ。」
オレはシュリの唇を奪った。
オレ達は、物心ついた頃から一緒にいる。
思春期に入ると、互いを異性として意識するようになった。
そしてじじいの目を盗んでは、こうして体を重ねている。
いつしかオレは、体だけではなくシュリ自身を好きになったが、シュリの気持ちは違う。
前に一度告白した時、他人に特別な感情を抱くという事が何なのか解らないとハッキリと言われた。
要するに、オレは愛情も含めてシュリを抱くが、シュリにとってはただの性欲処理の行為でしかないのだ。