第2章 黒のキミに愛されて(ティキ夢)
シュリは本気でオレの首を絞めてきた。
その細い手首を掴み、手を離させる。
「っ、本気で絞めるか普通…。」
「ティキが悪いんだよ。勝手に要らないとか言うから。」
「じゃあ逆に聞くけど、お前にオレは必要なの?」
今度は思いきり頬を叩かれた。
「ってぇ…暴力反対。」
「解らないの?解らないなら教えてあげるよ。」
シュリはおもむろにオレのシャツのボタンを外し始めた。
「オイ、何やって…。」
ボタンを全て外すと、まずはオレの首筋に噛み付いた。
八重歯で思いきり噛まれ、鋭い痛みが走る。
次は右の鎖骨。その次は左の鎖骨。
同じ様に噛まれていく。
「お前、どうしたんだよ…。」
「…マーキング。」
「………は?」
その言葉の意味が解らずにいると、シュリにまた頬を叩かれた。
「…だから暴力反た…。」
「私は特別だと思ってる人にしかマーキングしない。ティキ以外マーキングしたい人はいない。」
「えっと…それは…?」
「本当に好きなのはティキだけなのに、どうして解らないの?どうして要らないなんて言うの?そんなの許さないよ?」
今オレの目の前にいるのは、いつもの飄々としたシュリではなかった。