第2章 黒のキミに愛されて(ティキ夢)
腹の中にどす黒い感情を抱えながら、シュリの帰りを待った。
別にその気になれば女には苦労しないが、シュリは特別だ。
他の女とは違い、なかなかオレだけのモノにならない。
だから余計に、欲しくなる。
「たっだいまー。」
シュリが帰ってきた。
腕に大きな薔薇の花束を抱えて。
「…おかえり。すげぇ花束だな。」
「もらったのー。でも邪魔なだけだよ。」
シュリは花束をゴミ箱に捨てた。
「うわ、ひっでぇ…。」
「なんで?ゴミ捨てただけじゃん。」
シュリは、こういう事を本気で悪気なくやる女だ。
その場の雰囲気を楽しみたいだけ。
快楽を得たいだけ。
恐らくそれだけだ。
余計なモノはいらない。
本当に、罪な奴。