第2章 黒のキミに愛されて(ティキ夢)
何処かに出かけようとするシュリ。
「シュリ、何処行くんだよ?」
「白の世界にちょっと用事ー。」
白の世界とは、人間に紛れて生活することだ。
シュリもオレと同じ様に、白の自分と黒の自分の二重生活を楽しんでいる。
「…デートか?」
半分冷やかし、半分本気で問いかけると、シュリは満面の笑みを浮かべた。
「秘密。」
とは言いつつも、着飾って出かける辺りそうなのだろう。
オレはシュリの肩に手を回し、顔を覗き込んだ。
「オレというものがありながら?」
「男の嫉妬は見苦しいよティキ。それに私、束縛されるの大っ嫌いなの。知ってるでしょ?」
シュリは蝶の様にヒラリとオレの腕から逃れて、バイバイ、と手を振って出かけて行った。