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Love Meee ~Love or Lie~

第1章 『近くて遠い』


部屋に戻るなり後ろから抱きついた。
本当はいつでも一緒にいたい。
でも、叶わないから一緒に居る時くらいはこうして抱き合っていたくなる。

「ちょっ、なにぃ?」

「なにって?いやなの?」

「帰ってきたばっかりじゃん」

「帰ってきたばっかりだからなに?いいじゃん」

「もう、ちょっと待って?」

なんでー、と俺は口を尖らせた。

マイコは俺の腕をほどいてソファーに座りTVを見ている。

俺はふてくされたまま冷蔵庫から水を出して乾いた喉を潤した。

「飲む?」

「うん」

俺から受け取ったペットボトルに口をつけた。

「あーっ!間接キス!」

「馬鹿じゃないの?子供じゃないんだから」

そう言って笑ってるけど。

座ってるマイコの前に両膝をついて頭を彼女の腿(もも)の上に乗せた。

「じゃあ、もっと大人なことしよ?」

「もー、どうしたの?いつもそんなに甘えてこないのに」

「甘えてないよ」

「甘えてるじゃん」

「え?なんで?逆にさ?お前なんでそんなに嫌がるの?」

ちょっとムキになった。

「嫌じゃなくてぇ、今帰ってきたばっかりなんだからちょっとゆっくりしようよ。太輔も疲れてるでしょ?」

「じゃあいいよ」

と、ふくれっ面で向かい合わせのソファーに座り、タバコに火をつけた。

どうしたの?って言われると確かに。

何かに焦ってる自分に気づいた。
ふーっと煙を長く吐き出しながら考えてみた……

俺は確かめたいんだ、きっとちゃんと気持ちを確かめたくて焦ってるんだと気づいた。

体でなんか確かめられないのもわかってるくせに……
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