第2章 『見えない相手』
その夜は全く余裕がなくて
「あぁ…た、たいすけ……やっ」
めちゃくちゃに壊したくて
「もっと、感じて、……もっと」
嫉妬で理性をからめとられていく
俺の知らないお前を、俺以外の誰かが知ってるの?
お前の全てを知りたい
お前の全てを見たい
俺だけを愛してよ……今だけでも
「もっと、声聞かせて」
こんなに好きになってしまってからじゃ
もう後戻りなんか出来ないよ
「愛してる…愛してるよ…」
マイコの中に入り込んで、こんなに強く抱きしめてるのに
遠く感じる
こんなに愛しいのに
辛くて息もできない