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ラ・カンパネラ【PSYCHO-PASS】

第12章 Devil's crossroad


――世界の果てを探した。




「おいていかれたくないのか、おいていきたくないのか。もうわかんないよ。」





それから数日後、また宜野座達は六合塚を訪ねて来た。

「何度来ても無駄よ。」
「悪いが今日は別件だ。」
「――え?」

宜野座の言葉に意表を付かれた六合塚の前に、慎也が座る。

「ここ数ヶ月の間に破損された街頭スキャナーだ。犯行手口に一貫性がなく、また犯人も同一でない。偶発的な事件かとも思ったんだが、犯人達の行動範囲をマッピングすると全員が世田谷区北沢に出入りしている事が分かった。俺達はそこでなんらかの反社会的コミュニティが形成されていると考えている。それを潰したい。」
「――それで?」

慎也の意図が分からず、六合塚は冷たく言う。

「協力して欲しいんだ。君は以前、北沢を拠点に音楽活動をしていたそうだね。アマルガムの六合塚弥生サン?さぞ北沢にも詳しいだろう。――なんだ?」

丁度邪魔をするように、慎也に連絡が来る。

「――あぁ、分かった。」
「なんだ?」

宜野座が問えば、慎也は苦笑する。

「佐々山だ。待ちくたびれたとよ。」
「――そう言えば、今日はあの女の刑事いないのね?」
「泉か?――アイツなら犬のお守りだ。」





















しばらくして宜野座が戻って来る。
中で煙草を吹かしていた佐々山と泉は、目を丸くする。

「あれ?慎也は?」
「仕事だ、バカ。おい。車内禁煙だぞ。」
「へいへい。ギノ先生はもう良いわけ?」

佐々山は携帯灰皿を出すと、泉に渡してやる。

「俺の仕事は今日は終わりだ。泉はどうする?」
「ん~。慎也はまだ掛かるんでしょ?待って一緒に帰るわ。」
「え~、日向チャン。今日は俺と御飯行くっつったじゃん。」
「妄想の中で行ってらっしゃい?」

泉はニッコリと笑うと、車を降りて慎也の元へと行く。

「相変わらず毒気のある美人だぜ、日向チャン。ま、そこがい~んだけどよ。」
「おい。あんまり泉にちょっかい出してると、狡噛に撃たれるぞ。」

宜野座の言葉に、佐々山は両手を上げた。
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