第8章 あとは、沈黙。
――突如訪れる、『審判の日』。
「もう他に手段がないような気がするんだ。だからほら、俺の為に、」
「――この女の生涯は野獣に似て哀れみに欠けていた。死んだ今は野鳥程度の哀れみが似つかわしい。」
「――相変わらず素敵な趣味をお持ちだこと。」
それは明らかな厭味を含んでいたけれど、槙島は笑った。
「良いんですか?あの子、結構お気に入りだったんでしょうに。」
「あぁ。一番のお気に入りは返って来たし、もっと面白いオモチャが見付かったからね。」
そう言って泉の後ろから手を伸ばせば、槙島は優しく画面を開いて囁いた。
「ちょっと情報を集めて欲しい。昼間学校に来ていた公安局の恐らくは執行官。『コウガミ』と言うそうだ。」
画面に映った慎也の姿に、泉は唇を噛み締めた。