• テキストサイズ

【刀剣乱舞】三日月の瞳

第1章 初めまして、審神者さん


「僕は小夜左文字。 あなたは……誰かに復讐を望むのか……?」

 桜がふわりと舞い、現れたのは身丈に合わない大きさの笠を羽織り、青い袈裟に身を包んだ少年。
 青い髪は不揃いで、赤い紐で結ばれている。

「あなたは……」

「久しぶりだね、小夜」

 小夜の視線の先には歌仙が。
 そんな歌仙は優しく目を細め、小夜の頭を優しく撫でた。
 小夜はくすぐったそうにしながらも、静かにコクリとうなずく。

「なんやら訳ありな子ぉ来たと思いましたが……。 なんとかなりそうですなあ」

 間延びしたようなのほほんとした声で言う。
 初対面での会話が「復讐する?」なんて、愛希には耐えられなかったようだ。

「あ、小夜さん! 復讐ならこの狐にしてください!」

 そう言って女性は、こんのすけを抱き上げた。
 こんのすけは「なぜーー!?」と言いながら、じたばたと暴れている。
 どうやら、先ほどの羊羹のことを根に持っているようだ。

「ああ、ああ……。 後でもう一回作っておきます。 ですので、今回は多めに見てあげて……」

「……わかりました」

 女性は府に落ちないようだったが、しぶしぶとこんのすけを下ろす。
 こんのすけは涙ながらに愛希にお礼を言った。
 
/ 10ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp