第3章 お世話係になりました?
一
「…部屋こっち」
『え?あ…ありがとう。でも ケンカしてるの放っておいて後で怒られない?』
一
「ケンカしてる方が悪い」
ま まあそうなんだけどね。
私は苦笑を浮かべつつ
一松くんに手を引かれて
居間を離れた。
『一松くんたちのお家 けっこう広くて綺麗だね。お母さんがお掃除上手なの?』
一
「俺たちがよく壊すたびに修理してもらうからだよ。母さん面倒くさがり屋だし…」
『…その 壊すってさ 具体的に聞いてもいい?』
一
「具体的に…?」
階段をのぼった所で立ち止まり
一松くんは目線を少し宙に向ける。
一
「…玄関が粉々になったり ふすまが破れたり 壁に大穴あいたりとか」
『粉々…?壁に大穴…!?』
ふすまが破れたりするのは
分かる気もするけど
あとの2つはなんなの!?
家の中で戦争でも
してるの!?
一
「あとは覚えてない。…そんなに気になるなら あとでチョロ松兄さんに聞いてみたら?」
『チョロ松くん?…えと 何色パーカーくん?』
一
「緑色パーカー」
『緑ね。分かった 聞いてみる』
詳しく聞いておかないと
なんだか怖いからね…
と言うか さも当たり前に
言ってのける一松くんも
何かしたことあるのかな?
それもチョロ松くんに
後で聞いてみようっと。