第3章 お世話係になりました?
可愛い声って…
一体どんな声なの?
テレビをつけたは良いけど
全く集中できない。
「あらそうなの?大変ねぇ…。え?私が?私は無理よー!仕事でね 海外に住むことになったの。そう!海外に!そんなに驚くことないでしょー!?もう!」
やっぱり電話の相手も
お母さんが海外に住むことに
驚いているみたい。
ん?と言うことは
電話の相手はお母さんを
良く知ってる人ってことだよね。
そんな人の話をお母さんから
聞いたことないけどな…
「そう!まあ娘は嫌がってるんだけど 一人暮らしをさせるわけにいかないもの。……え?…うん。でもあなたの子供って男の子でしょ?」
何の話をしてるんだろ?
お母さんの声色が変わった。
「そうだけど!……はあ そうね。分かったわよ。娘にも話してみるわ。決まったらまた電話する。えぇ また後でね」
ガチャン!と受話器を戻す
お母さん。
お母さんはスタスタと歩き
私の隣に座った。
『お母さん 何の話をしてたの?私になにか関係のある話?』
「えぇ。…ねえまり」
『なに?』
「まりって 勉強は出来て運動も家事も完璧な天才少女でしょ?」
『……否定するところがたくさんあるけど 話が進まないからそうしておく』