第3章 お世話係になりました?
『もしもし 赤坂ですけど…』
「ああもしもし!さっちゃん?」
『さ…さっちゃん?』
さっちゃんってもしかして
私のお母さんのこと?
お母さんのことをそう呼ぶ人
なんていたかな?
まあ良いか。
とりあえず質問しよう。
『あの お名前をお伺いしてもいいですか?』
「あら?さっちゃんじゃない?あ!分かった!さっちゃんの娘さんでしょ?」
『あの…ですから お名前をお伺い…』
「今何歳?もう大きくなったんでしょ?」
『え?あ…まあ…あはは』
うんもうこうなったら
笑って誤魔化そう。
新手の詐欺かもしれないしね。
そんなとき ようやく
お母さんが復活した。
「まりー 電話だれだった?」
『さあ?お母さんのことさっちゃんって呼んでるよ』
「さっちゃん?あー!もしかして!!」
お母さんは瞳を輝かせながら
「電話貸して!」
とやけに急かした様子で言った。
知り合いみたい…
昔のお友達?
とかだったりするのかな。
私はお母さんに電話を渡すと
ソファーに腰掛けテレビをつけた。
「久しぶりねー!もう何年ぶりかしら!電話をくれるなんて嬉しいわ〜。え?そうそう!私の娘よ!可愛い声だったでしょー?」