第16章 夜会
私達はすぐレイジに知らせると既に招待状が届いていたようで、客間には全員が揃っていた
「あいつらは何考えてんだよ!!
今、ラルク家との戦いでそれどころじゃないはずだろ!」
「確かにそうですが、だからこそ同盟家との繋がりを強く持とうとしているのかもしれません」
「はっ、馬鹿馬鹿しい」
「シュウ。貴方も今回の夜会は必ず出てもらいますよ」
シュウは眉間にしわを寄せる
「だる....」
みんな久しぶりの夜会にどこか疑問を抱いているようだった
「........」
「ん?どうした、レナ」
スバルがレナの肩を叩く
「あっ、ごめん....ちょっとぼっとしてた」
その様子を見てレイジはため息をつく
「全く....しっかりして下さいよ
貴方の実家が主催するのですから。
それに、今回の夜会は親戚だけではないのですよ?」
私はまだ大きな夜会に参加したことが無い
理由はきっと、この血を持つ私の存在を出来るだけ隠したかったから
「でも、何で今になってコイツを夜会に出すんだ?」
アヤトは疑問を投げかける
「....分かりません。
ですが、もう彼女を隠す必要がなくなった....
そう捉えるのが筋でしょうね」
「んふっ♪でもさー、今のレナを夜会に連れて行ったりしたら、絶対に標的にされるよね?」
ライトの言葉に背筋がぞっとする
けど確かに、さっきのアヤトみたいな事が起こればもう私には止められないし
「はぁ....あの方々が何を考えていらっしゃるのかは分かりませんが、とりあえず何か力を抑える薬を用意しましょう」
レイジは「安心なさい」と頭をぽんと叩く
「ありがとう....」
血のことは何とかいきそうで私もほっとする
しかし、この夜会には何かある
その不安を拭いきれずにはいられなかった
「....?」
レナを横目で見るシュウは驚いたように目を見張る
レナの表情は何かを悟ったようで
何かを受け入れたように悲しげだった
同じだ....
あの時のエレナと....ーーーー