第16章 夜会
「失礼いたします」
軽いノックの後に扉がゆっくりと開く
リビングに入ってきたのは、見慣れない若いメイドだった
「リマ!」
アヤトは彼女にかけよる
「アヤトくん、こんな所にいたんだ」
話を始める2人に私はただ呆然としていた
「ん?あぁ、お前は知らなかったのか
こいつはリマ」
リマと呼ばれる彼女はぺこりとお辞儀をする
「あっ、もしかして....アヤトの....」
先日噂で耳にした、アヤトが生け贄である人間の少女を傍においていると
「あぁ。一応、今は俺専用メイドになってるけどな、くくっ」
「もう!アヤトくん!」
アヤトが誰か1人に執着するのは珍しい....
そして、2人を見るのはなんだか微笑ましかった
「んで、何しに来たんだよ」
リマは思い出したように、1通の手紙を取り出す
そして、レナの前に差し出す
「これをレナ様にお渡しするよう言われました」
「私に....?」
裏を見ると、そこには夜崎の紋章の入った印があった
私は驚いて直様中身を読む
内容を見てレナは手紙を掴む指が強まる
様子の変わった彼女にアヤトは真剣な面持ちになる
「なんて書いてあるんだよ」
レナは静かに読み上げる
ー1週間後、我夜崎家主催の"夜会"を行う
夜崎家の者はもちろん同盟家の者も出席する
今宵の夜会は必ずの出席を命じる
"父より"ー