第15章 想い
私は話した
無神であったこと....
私の心に留まるルキくんの事....
ライトは全部真剣に聞いてくれた
彼も無神の人達とは面識があるらしい
しかし、無神の事を思い出すと私の心は苦しいほど傷んだ
「そっか....あのルキがねぇ....」
ライトはへぇーと意外そうに目を丸くする
「ルキくん....やっぱり、怒ってるよね....」
そんな私をみて、ライトは微笑んで私の目を見る
「レナ
僕達はね、血を吸う事はしても血を与える事はあまりしたいなって思わないんだよ
人間になら尚更だけど
ヴァンパイア同士でも、そこに特別な何かが無いと与えない
理不尽だって思うかもしれないけど、これが僕達男の性なのかもね」
「特別な何か....?」
「うん」
ライトくんの意見は一理あるけれど、私とルキくんの間にはそんな物....
大切な事に気づかない彼女を見てライトは苦笑する
「じゃあ、レナはどうだったの?」
「え?」
「ルキに出会って初めて血を飲みたいって思って
けど、レナは血が飲めたら誰でも良かった?」
「!」
違う....私はあの時....
「ルキくんの....血じゃなきゃダメだと思った....」
ライトはんふっ♪と満面の笑みを浮かべる
「答えは簡単だよ♪
レナも心の奥でルキを特別だと思ってる
それってレナは....
ルキの事が"好き"って事なんじゃないかな?」
ライトの言葉が胸に響く
好き?....これが....
レナは初めて感じた感覚の正体を知る
「私が....ルキくんを....」
ライトに言われ初めて気づいた
「頭から離れなくて、もう1度会いたいって思う
レナはもっと自分の気持ちに素直になるべきだよ?」
心にある靄が晴れたような気がした