第15章 想い
『抗ってみろよ....その闇ともいえる運命から』
シュウの言葉が頭を過ぎる
きっと、彼は最初から私の血を吸うつもりは無かったのだろう
逃げ出す私を捕まえなかったのも全て....ーーー
「レナ~♪」
「ら、ライト!」
突然後ろから話しかけられ私は驚いた
「久しぶりだね、家を飛び出したって聞いて凄く心配してたんだよ?」
ライトは言葉とは裏腹に顔には怪しい笑みを浮かべていた
「....ごめんなさい」
「謝らないでよ。レナにだって反抗期くらい来るよね〜
....それよりさ」
ライトが私の顔を覗き込む
「無神の人達と何してたの?
随分長い間居なかったし〜
もしかして....」
「ッ!!な、何も無いよ!///」
彼が卑猥な事を想像しているのは一目瞭然だった
「顔、真っ赤だよ?んふふっ、レナてば相変わらず可愛いね」
ライトは満足そうに笑う
いつも彼は私をこうしてからかってくる
「でも....本当に何かあった?」
「えっ....」
ライトの顔が先程とは全く違い、真剣でどこか不安気だった
「こうみえても僕は女の子の変化には凄く敏感なんだよ
だからレナ....何か悩みでもあるのかと思ってね」
ライトは優しく微笑みかける
図星の私は少し動揺した
「話しなら聞くよ?
紳士は女の子の悩みを取り除いてあげるものだからね♪」
「ライト....」
私の心の変化の意味を彼なら分かってくれるのではないか
そう思って、私は彼の言葉に甘えることにした