第13章 切望
「........」
レイジによると
昨晩の夜遅く、家の前に一台の車が止まり
中からはユーマくんとアズサくんが出てきて
私を連れ帰ってきたそうだ
急な事にレイジも驚いたそうで....
理由を聞いても彼等には分からないらしかった
レナは部屋の隅のソファーに座る
いつもここに遊びに来て
あの方にこの部屋は自由に使っていいって言われて....
なんだか、私はこの家の家族になれた気がした
実家でもずっと独りだった私にとってここは....みんなは温まる居場所のようだった
けど....
今の私は....何だか心に穴が空いたみたいだ
それに、この場所も酷く居心地が悪い
前までの自分とは違う
それは、自分の立場を知ったから?
ここがお父様達に作られた居場所だから?
違う....
きっと...."無神家"に行ったから
あの家にお世話になって、私はいろんな事を知った
だから、今ここに安住している自分に腹が立つ
レナは何となく全ての事の黒幕の目星は立っていた
それに....
目を閉じて
私の頭に一番に浮かんでくる彼を私は忘れられなかった
(....ルキくん....)