第13章 切望
ーーーーーーーッ!!
レナはハッと目を開ける
「はぁ....ッ....」
魘されていたのだろう額には汗が滲んでいた
私はもう一度目を閉じ、心を落ち着かせる
きっと、さっき見たのはルキくんの血から流れ込んできた記憶....
それは私の空いた部分にぴったりはまっていく
そのため、それを本当の事だと認めるのに時間はかからなかった
私は....記憶までもを....奪われていたの?
まだ自分の知らない過去があると思うと、不安が心を蝕んだ
ふと、夢で見た女性を思い出す
私が"お母様"と呼ぶ彼女....
私の母は正妻で4人の兄妹を産み、愛情を込めて私達を育ててくれた
しかしその母も、もうこの世にはいない....
今考えると....容姿も顔立ちも兄達ほど私は似ていない
レナは頭を抱える
私は今まで何の疑いもなくあの人を母だと思っていた
でも....私のお母様は....
『起きたか』
なんだか、久しぶりに聞く声に私ははっとする
「!
....スバルッ....」
私はその声の正体をしろうと顔を上げるとそこに立っていたのはスバルだった