第1章 魔界
「ひどすぎだよ。私はちゃんとみんなの誕生パーティーに出席してあげてるのに!」
レナはぶつぶつと不満を漏らしながら廊下を歩く
すると、
「ら....ッ....と....」
私の声以外に、誰かの声が聞こえ、
辺りを見渡す
一つの部屋の扉が少しだけ開いていた
私はゆっくりとそこを覗いてみると
「やめ....っ....らい....ッ....と....ッ//」
「!!///」
部屋の中には見覚えのある男と、見た感じ人間であろう女がベッドの上で抱き合っていた
私は驚いて、思わず扉を強く閉めてしまう
後で思うとなんて空気の読めない行動をしたんだと後悔する
私がおどおどしていると、扉がゆっくりと開く
「あっれー?レナじゃない~」
中から出てきたのは先程抱き合っていた張本人....
逆巻ライトだった
彼は三つ子の1人で、極度の変態だ
「ごめん....ライト、邪魔した....//」
私は気を使い中を見ないようにして、声をかける
「んふっ♪そっか、レナはこーゆーの慣れてないもんね」
こんなのに慣れたくもないと私は心の底で思う
「まぁ、お嬢様はそのくらい慎み深い方が僕はいいと思うよ?」
ライトは少しだけ羨ましそうに私を見る
きっと、自分の母を思い出して居るのだろう
コーデリアは酷く男癖が悪かったと聞いている
その後、部屋の中から血の香りがして、私は思わずその場を後にした
なんだか、彼が血を吸っていると実感すると生々しくて少し複雑な気持ちになる
(私は、血を吸った事も吸われたこともないからなぁ....)
自分も一応ヴァンパイアだが、吸血衝動が起こった事はなく
私にはまだ理解出来ない感覚なのかもしれない
しかし、最近寂しさを感じる事がある....
それは多分....
ずっと、私と同じ子供だと思っていたみんなが変わっていっているからだろう
もう、彼等も大人になった
それぞれ、想い人だって出来る頃だろう
私は何ともいえないこの気持ちを紛らわせようと、キッチンに向かった