第1章 魔界
私は二階へ上がり、廊下を進み一つの部屋に入る
そこは、アヤト達兄弟が基本的自由に使えるリビングになっている
すると、そこで横になっている、1人の男と目が合う
「シュウ!」
蒼い目をした気だるそうな彼は、私を見るなり眉間にシワを寄せる
「うっわ、めんどいのが来た....」
彼は逆巻シュウ
一応、逆巻家の長男で逆巻当主、最重要候補として有名である
彼は心底嫌そうな顔で音楽の音量を上げる
しかし、私は構わず彼の体を揺さぶる
「んだよ、やめろ。殺されたいのか」
「ひどいよ!何で、私の誕生パーティー来なかったの!?」
先日、魔界ではレナの誕生を祝う祝宴会が行われた
しかし、毎年参加してくれていたのに、今回、シュウだけは不参加だった
予定では今年は彼のバイオリンの演奏が聴けると聞いて楽しみにしていたのに
「....あぁ。あれか、だるかった....それだけ」
彼はそう言い残し、反対側を向く
「もう....ッ!」
私は心底思った、彼が、当主になんかなったらこの家は終わりだと
こうなってしまったら、彼に何を言っても仕方が無い事を私は知っていたため、私はそのまま部屋を後にした
バタンッ!!
「うるさ」
レナが飛び出した後、
1人残ったシュウはゆっくりと起き上がる
ー別に、毎年の事だ....参加したってしなくたって、どうでも良かった....ただ、もう18か
シュウは深くため息をつき
静かに呟いた
「....どうすんだよ....」