第1章 魔界
「あぁ。騒がしいと思ったら....レナ。来ていたのですか」
客間に行くと、そこには逆巻の次男であるレイジが椅子に腰掛けていた
「レイジ!」
私は彼を見るなり、駆け寄る
「この間届いた紅茶とっても美味しかった!ありがとう」
「いえ。気に入ったのであれば良かったです」
レイジは昔から不思議と私の趣味が分かっていて、誕生日に贈ってくれるプレゼントは私の毎年の楽しみになっていた
彼はお兄ちゃんみたいだなと熟思う。
しかし、それで分かることもある。
昔はぬいぐるみやお菓子を贈ってくれていた。しかし、今年はガラッと変わり紅茶を頂いた。この理由には私も少なからず気づいている。
「にしても、親父もお前を優遇しすぎだろ」
突然、背後から声が聞こえる
しかし、私はもう慣れており、これが誰の声であるかも容易く理解できた
「スバルじゃねーか。引きこもりが珍しいな」
「あぁ?」
アヤトはスバルを挑発する
私はいつものように2人を宥める
「チッ....親父の奴お前の事気に入りすぎて、お前の部屋作ったくらいだからな」
「確かに、俺らよりお前の方が待遇いいよな。意味わかんねぇ」
アヤトもスバルも一体、どんだけカールハインツ様に不満があるのだろうか
次々と出てくる不平に遂にレイジが2人を黙らせる
そして、その隙に私は客間を後にした