第1章 魔界
彼は軽く舌打ちをする
『なにが、おかえりなさいませだ!
お前はいつからこの家の住人になったんだよ、レナ!』
不機嫌そうな、このお坊ちゃまは逆巻の3男、逆巻アヤト
魔界では有名な女、コーデリアの息子
でも、もう彼女はこの世にはいないけれど....
「いいでしょ?もう何十年もの付き合いなんだから
私、この家の子になってもいいかな?」
冗談で微笑むと周りの執事達は「ぜひ!」と声を揃えて言い放つ
「お前みたいな面倒女、冗談でも妹になんか欲しくねぇよ」
「ひどい!」
アヤトはしゅんとする私の顔を見て、満足そうに笑う
私は、昔から親同士の関係上、この家を訪れている
云うならば、私とカールハインツ様の息子達は幼馴染みなのだ