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Forbidden love

第8章 困惑



ーーーコンコンッ

ルキはレナの部屋の前まで来て扉をノックする

しかし、返事がない

けれどルキは彼女がこの中に居るのは確かだと思って、取っ手に手を掛ける

「入るぞ」

ガチャ

扉を開け、中を見ると

部屋は真っ暗で、彼女の姿は無かった

ふと見るとベランダの扉が半分開き、カーテンが靡いていた

ルキは1つため息を落とし、ベランダに出る

「.....っ...」

案の定レナはそこに居て
その広いベランダの柵にもたれ掛かり腕に顔をうづめて泣いていた

乱れた髪を風に靡かせ、何かに縋ろうと腕を強く掴む彼女は、今にも壊れてしまいそうなほど尊く見えた

すると、気配に気付いたのか、彼女はゆっくりと顔を上げ、ルキを見る

「....ルキくん....」

頭を上げた彼女の顔は赤くなっており、酷く泣き腫らしたようだった

ルキはその顔を見て、胸が押し潰されそうなくらい苦しくなる

なぜ?

彼自身この気持ちを理解する事は出来なかった

ぎゅっ....

「ッ....!!」

ルキは咄嗟に彼女を抱きしめ、頭を撫でてやる

意識とは別に動く体に彼は身を委ねた....

すると、彼女は安心したのか彼の胸の中に顔を埋める

しかし、それは彼女だけではなくルキも同じだった

ーーーレナの匂いと涙の匂い....

そして、唯一無二の彼女の血....

....全てが懐かしく、縋りたくなる

しかし、俺はきっと後悔するだろう

けれど....今だけ....

こいつの涙が止まるまでは....ーー


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