第7章 来訪
「レナ。お前に伝えなくてはならない事がある」
カールハインツ様は少し険しい顔をする
しかし、それはカールハインツ様だけではなくルキくんやコウくん達もそうだった
レナはこの張り詰めた雰囲気に戸惑う
「実はな....」
カールハインツ様は言いにくそうに言葉を紡ぐ
「夜崎家はラルク家に敗北した」
私の体は一気に硬直した
夜崎が負けた....?
信じられない....
私の家は結構な武闘派で魔力も人一倍強い一族だ
その夜崎に勝った、ラルク家は一体....
カールハインツは思うところがあるように瞼を細める
「これに伴い....多くの夜崎の者が捕虜にされ、殺された。
お前の兄....レオも....」
えっ....ーーーー
その言葉にレナは驚愕する
....レオ御兄様が....?
そんなはずない
だって、だって....彼は戻ってくると言った
「....そんな....ッ....」
レナの目からは涙が零れる
そして、その涙と共にここに来て見たあの忌まわしい記憶を思い出す
男が倒れている人の胸を何度も何度も刺すーーー
「っ....!!」
頭が痛く、鼓動も早い....
「レナ!」
もしかして....あの人は....ッ....
私は頭がくらくらして、前のめりに倒れる
ポスッ....
意識の薄い中、倒れたはずの私は大きな腕に包まれていた
「大丈夫か....?」
私を落ち着かせるこの腕の正体はルキだった
彼の匂い....彼の温もり....
不思議....レオ御兄様と同じ....ーーー
涙が1つ流れたと同時にレナは意識を手放した