第6章 籠の中
改めて食卓に向かい、食事を始める
コウくん達は隣のソファーで話をしていた
(兄弟か…)
先程私はふと気になって、ルキくんに尋ねてみた
みんなは何者なのか....
彼は私の質問に答えてはくれなかった
ただ、自分達は兄弟で
貴族でも庶民でもない
とだけ言って出て行ってしまった
(どうゆうことなんだろう....)
でも、これだけの屋敷を持っているという事はただのヴァンパイアではないだろう
(無神....か....)
ーーーズキッ!!
「っ!!」
なにこれ....頭に....何か....
カランカランッ....
急に頭痛がはしり、ナイフが床に落ちる
「どうしたの!?レナちゃん!」
異変に気づいたコウ達がレナの傍に行く
ーーやっと…覚醒したのだな
「!」
嫌な声と共に、誰かが倒れている光景が目に映る
ーあなたは....誰....?
やめて…
耳を強く抑える
しかし頭に直接入ってくるようなその断片はレナを動揺させる
ーーー早く....来い
その男は鋭利な刀で倒れている男の胸を何度も刺す
レナの頭に響くのは、肉を引き裂く音と、男の笑い声だけだった
「お願い…やめ…て」
赤い血が目を染め、意識が遠のく
バタッ…
「おっと」
倒れかけたレナをユーマは胸でキャッチする
「大丈夫....?」
「あぁ。気を失ってるだけだ。
でも....どうしちまったんだ?」
突然の事にみんなも動揺する
「お前達....」
いつの間にか彼等の傍にはルキが立っていた
彼はユーマに持たれかかるレナを抱き抱える
「ルキくん…彼女....どうしちゃったの?」
「........」
ルキは何も言わず、彼女を連れその場を離れる
「なんなんだ?」
「分からない…」
コウは静かにルキの去った扉を見つめる
「夜崎 レナって....何者なんだろ....」
初めて見た....あんな悲しそうなルキくん…
一体....彼女は....