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Forbidden love

第6章 籠の中



部屋に機械音が響き渡る

私は椅子に座らされ、後ろにはルキくんが立っている

彼が持っているのはドライヤー
そして、彼は私の髪の毛を綺麗にブローする

さすがの私でも、昨日会ったばかりの男性にこんな事をしてもらって少し恥ずかしい気持ちがある

私の髪が気になったコウくんはルキくんを呼び出し、溜息をつきながらルキくんは私をここまで連れてきた

彼の手際はとても良く、私の長く多い髪を一気に落ち着かせてくれた
コウくん曰く、彼はSランク級の腕前らしい

「ん....」

確かに、手先が器用で、彼の手は凄く心地よかった

「どうだ?」

スイッチを切り、彼は私の髪を櫛でとく

「凄い....ルキくんは器用なんだね」

鏡に映る彼は少しふっと笑い
このくらい普通だと言う

「ありがとう。あと....ごめんね。

....身だしなみ1つ自分で直せないなんて....ちょっと恥ずかしいな....」

私は今まで御兄様やお父様に恥じないように振舞ってきた
けど、結局は人に頼ってばかりだった

私はいつものように髪を纏めようとヘアバンドに手を伸ばす

すると....

「結ぶ必要はない」

「え?」

ルキは私の髪を撫でる

「髪をおろしていた方がいい」

意外な言葉に私は驚いた

そして、自分の顔を見る

髪をおろした自分は少し大人っぽく、歳相応な雰囲気にみえる

ルキくんの好みなのかな....?

私はヘアバンドを机に置く

「この世には不器用な人間もいれば、器用な者もいる。
それは、立場的なことも同じだ」

的を射ない発言に私はハテナを浮かべる

....慰めてくれてるのかな?

「....ありがとう。ルキくん」

「何がだ?」

「ふふっ。いろいろ」

レナは髪型が気に入ったのか、髪の毛先を指で触る

なんだか、自分の顔が少し変わったような....

なんでだろう....?




「....ふっ....」

ルキが、優しい瞳で鏡の中のレナを見つめていることに彼女はまだ気づいていない
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