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Forbidden love

第28章 幸福



結婚式は2人の意向で身内や関係者のみで開かれることになった

本当はシュウ達にもっと盛大な場を設けてやるって言われたけど、私たちにはこのくらいの規模がちょうど良かった

外のざわめきが段々静かになる

「来賓の方々が着々と入場されています」

使い魔が合図を送り、メイド達も最後のチェックを始める

その間、窓の外の眩い光を感じ、ふと外の空気が吸いたいと思った

レナはメイドに手で合図する

「少し一人にしてくれる?」

「かしこまりました」

時間まであと少しあり、メイドは片付けをするようにその場を去った

その気配を感じ、レナは車椅子を動かし、庭に出る


「すごくいい気持ち」


レナは幸せを噛み締めるように深く息を吸う

ルキは私を見てどう思うかな

一人でいても頭の中は彼でいっぱいだった


レナは少しずつ車椅子を進め自然にふれていると、ふと後ろから人の気配がした

「すみません」

「!」

突然の男の声にレナは驚く

彼女の後ろには深く帽子を被った男が立っていた

「貴方は…レナ様ですね?この度はご結婚おめでとうございます」

彼は丁寧に敬礼する

「招待客の方ですか?」

「そうです!ただ、屋敷の中で迷ってしまって…」

「ここを真っ直ぐ行ってこのバラ園を抜けたら会場ですよ」

レナはバラ園の先を指さす

「ありがとうございます」

彼はお礼を言い、その方へ足を進める

しかし彼の足は止まり、レナの方へ思い出したように駆け寄る

「?」

「失礼しましたレナ様」

彼は手探りで鞄の中から何かを取り出す

「貴方様にこれを...ご結婚祝いです」


そう言って彼はレナの手に自分の手を乗せる


ポワッーーーーー


すると何かが流れ込むような、膨大な魔力が感じられた

私はどこかでこの力を感じたことがある

「貴方は...!!」

帽子の下に見えるその男の目はスっと彼女の瞳を見つめた

見えるはずのない彼女の目は霧が消えたように前を向く


その男と目が合った瞬間、眩い光がその場を満たした

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