第27章 懺悔
レナの言葉にルキの鼓動は一層高鳴りを覚えた
「駄目だ...ッ!!
言っただろう..今の俺は...」
「それでも、私は苦しんでる貴方を放っておけないよ..」
「ッ!!」
アヤトの言葉と重なり、ルキは何も言えず歯を噛み締める
「おかしいかもしれないけど、初めてルキが私に弱音を吐いてくれて、少し嬉しい
だから、私もルキに本心を伝えたい」
レナは、ルキに抱きつく
彼女の瞳は涙でいっぱいになっていた
「...記憶が無いことでルキが傷ついているんじゃないか不安だった..
私の瞳はもう、ルキの姿を映さない..
それが、苦しくて..悔しくて...」
「レナ..」
ルキは涙を流す彼女の頭を優しく撫でる
2人はお互いの事を心配し、その事がすれ違いを生んでいた
互いを思う、愛故に2人は苦しみを感じて来た
体を離す、2人の視線が絡み合うように前を向く
「だから、ルキの苦しみを抑えることが出来るなら...私は血を吸われてもいいよ」
今なら、ルキはこの言葉の本当の意味が理解できた
「..俺が苦しむのは、そんなに辛いのか...?」
「...当たり前だよ
ルキのこと...大好きだから」
「っ!!」
突然告られた言葉に、頬が熱くなるのが分かった
少し恥じらいながら口を開く彼女の姿に、ルキは自分の心に疼く気持ちに改めて気づいた
「血を吸われてもいい..そう思えるのは、きっと記憶を失う前の私も同じ気持ちだったから..
ルキを思う気持ちはずっと心に残ってる...」
コウの言う通りだった
俺達は全てを明かしたあの日から何も変わっていない
もう、自分の気持ちに背を向けるのは止めよう
そう思い、ルキはレナの首筋に唇を落とした
けれど、彼は牙を突刺すことはせず甘えるように首筋を撫でた
「ふふっ...くすぐったいよ」
「俺もお前が悲しむ姿は見たくない」
レナは一瞬、瞳の奥にルキの姿が映ったような気がした
その彼は、悲しんでなどいなかった
ルキは首筋から唇を離し、代わりにレナの唇を優しく撫でた
「んっ...」
2人の唇が重なり合う
唇が離れ、抱きしめられたレナの耳元で愛しい彼の言葉が囁かれた
ーーーーー”愛してる”